【COP10ニュース】将来の生物多様性は利益分配の合意にかかっている

バードライフ・インターナショナルによれば、生物多様性の危機への取り組みの進展は世界各国の遺伝資源へのアクセスとその利用から生ずる利益をどのように分配するかという点で合意できるかどうかにかかっています。

これは名古屋での生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)での合意と承認に向けて提出された議定書の草案を、地域間交渉グループが今日の最終会議で合意できるかどうかにかかっています。

一般にABS(資源へのアクセスと利益配分)として知られる公正・公平な利益配分と遺伝子資源へのアクセスは生物多様性条約(CBD)の3つの基本目標のうちの一つです。CBDは遺伝子資源などの自然資源に対する原産国の権利を認めており、CBD締結国はこれらを利用するに当たって適切な利益配分を行う義務があるのです。

ここで言う利益には遺伝子資源を用いて行われた研究開発の結果や、それに基づく製品の商業化による収益も含まれるでしょう。

ABSに関する合意は間もなく名古屋で開催されるCBD COP10の成功を占う重要事です。COP10の最重要な目的の一つが、生物多様性の喪失に歯止めをかける一連の2020年度目標を含む新しいCBD戦略計画の合意が得られるかどうかです。

2000年にCBDの加盟国は在来種や伝統薬に基づく発見から発展途上国が確実に利益を得ることと、バイオパイラシィ(原産国あるいはコミュニティへの適切な補償なしに植物や他の遺伝物資を商業利用すること)への懸念を表明するためのワーキング・グループを作りました。議定書草案に合意できるかどうかを決定する交渉グループの会議はCOP10が始まるちょうど5日前に行われます。

「いくつかの主要国の政府はABSの新しい合意を作ることを絶対に必要なこととしてその進展に期待しており、合意に達するまでは全ての他のCBD分野での進行に反対したいとしています。私たちは政治家に行動を共にすることと交渉を不必要に妨げることがないよう要求しています。」とバードライフの政策・支持上級アドバイザーのムタリ・アミヌ・カノ博士は言いました。

バードライフはCOP10が国際的なABS体制に関する交渉をまとめ上げることが肝要であると信じており、それは法的な拘束力を持つCBD議定書になるでしょう。条約は効果的な遵守システムを持つ包括的なものでなければなりません。

「各国政府はこのワーキング・グループの会議で懸案事項を解決するために、政治的意思を結集し、名古屋での新議定書を是認しなければなりません。先進国も発展途上国も双方が妥協を必要としますが、特に先進国はこの問題で世界中の途上国が感じている大きな不満をはっきりと理解しなければなりません。」とバードライフの科学・政策・情報部長のレオン・ベナン博士は言いました。

バードライフの見地ではこれは生物多様性の喪失を食い止めるために緊急に必要な基本的な変化をもたらすためにCOP10で採択されるべき5つのステップの一つなのです。

COP10を成功に導くためにバードライフは参加国が下記のことをしなければならないと信じています。

* 2020年目標と関連した包括的、野心的かつ達成可能な戦略的計画の採択。ここにはその目標達成において地域コミュニティや市民社会を巻き込むための枠組みが含まれねばならず、また生物多様性の保全が暮らしの改善と貧困の軽減に関連することが重要であることを認めなければなりません。

* それぞれの国がCBDを効果的に実現するために必要とする資源を確実に保有するメカニズムに合意すること。これには全ての国が生物多様性のための予算を増加し、また、先進国から途上国へ新たな増額された資金の提供が行われることが含まれねばなりません。私たちは各国政府が2020年までに少なくとも現在の10倍の資金を増加させる必要があることを認めるよう求めています。

* ABSに対する国際的な管理体制を構築するために交渉を成功裏にまとめること。

* 生物多様性にとって特別に重要な全ての地域をカバーするために、特に海洋地域において、保護地域ネットワークの拡大に同意すること。

* CBDと国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)が国別および国際的レベルで相乗効果を増進するための明確な活動に合意すること。生物多様性と生態系は効果的な気候変動軽減と適応を補強し、一方で気候変動の影響を受けます。このことは気候変動に対処するために取られる全ての決定と活動において理解されていなければなりません。

「COP10は生物多様性保護のための活動を大きく促進するための政治的な勢いを与えなければなりません。COP10は切迫感および、資源と政治的意思があることを前提として、生物多様性の危機に効果的に対処するための手立てはあるという認識を起こさせなければならないのです。」とアミヌ・カノ博士は結びました。

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